自分がダイエットを目指しているとして、自分の潜在意識がダイエットを成功に導く潜在意識なのか、失敗につながる潜在意識なのか、それを知るにはどうしたらいいのでしょ うか?
それは、自分の行動を振り返るとよくわかります。例えば、何度失敗しても自己流のダイエット方法を何回もチャレンジしてうまくいかない人を見たら、皆さんどう思いますか?その方法に固執している限りは、成功しないだろうと容易に想像できますよね。
また、ダイエット初心者が-15kgを1 週間で達成するって宣言する人がいたとします。何を感じますか?自分の可能性をはるかに超えた達成基準を満たそうとしている人、あれもこれもと欲張り、結局は一つも得られずに失敗してしまう人、計画倒れ、最初は勢いがあるが、すぐに勢いがなくなる、そういう生き方をしている可能性があるのでは?とその方の生き方を想像できるかと思います。
その生き方、自己流のダイエットの考え方とも繋がりますが、 その生き方や考え方を続けると、やってもやっても達成できず、満たされず、いつか過労となり、倒れてのちに病んでうつ病になるといわれています。
こういった人は、頭(顕在意識)では、成功をイメージしているつもりでも、心は失敗するイメージを持っているのに気づいていません。成功/失敗はダイエットに限らず、生き方全体に影響している可能性が高いのです。本人は気づいていないけど、実は周りからよく見えます。本人への周りからの助言を 本人が受け入れたらいいのですが、ダイエットがうまくいかない人ほど、自己流でするので 援助を受け取りません。特に長男長女は人の援助を受け取りにくいので、最後まで自己流でやります。長男長女は積極的な方も多いですが、いろんなダイエットの方法を試すことに奔走します。ダイエットで成功させるのは、もちろん医学的に適した方法、理論というのはあり、方法が違うとうまくはいきませんが、方法が仮にあっていたとしても、自分の潜在意識とそれに見合った行動がダイエットに有益なものでないと成功しません。ダイエットで成功しない人というのは、成功しないために合理的と考えられる行動を無意識にとっているということなんですね。外来では、ダイエットの成功を妨げる潜在意識に気づいてもらう、 自分の生き方、考え方に気づいてもらうというのが非常に大切になります。
ダイエットの成功を
妨げる潜在意識
潜在意識は、幼いころから躾と称して親や養育者から受けていく過程で、どんどん蓄積され ていきます。成功したときにこそ親に褒めてほしかったのに、全く褒めてもらえなかった人 が、失敗した時に親に怒られたとします。一般に、親の子供への関わりが肯定的であろうが 否定的であろうが、関わった時間が長い分子供は親の愛情を感じることから、そういう人は、 親に褒められることを諦め、失敗した時に親に怒られる時に愛を感じるようになります。そのため、大人になってからも、子供時の体験に影響され、成功を目前にする状況になる度に、成功することへの怖れを無意識に感じ、失敗するといわれています。ダイエットの成功が近 づくたびに、リバウンドしてしまうことをしてしまう人は、幼少時の躾が影響して「人生は 成功してはいけない」という潜在意識を持っているかもしれないというわけです。もちろん、潜在意識は、本人が自覚していないので、その潜在意識を持っているかどうか確認ができません。しかし、様々な行動をみると、ダイエットに限らず、仕事やプライベートでも、成功を目前にする状況で、達成しない、失敗するのであれば、実は、「人生は成功してはいけな い」という潜在意識を持っている可能性が高くなります。そしてカウンセリングなどを経て、 持っているという自覚が上がると、潜在意識から意識にあがるというわけです。
潜在意識の恐ろしさは、失敗を無意識にお膳立てしてしまっていることもあります。例えば、ダイエッ ト成功直前で、成功後のご褒美のおやつや大量の糖分を事前に購入し、達成前に食べてしまってリバウンドなどでしょうか。このタイプのダイエットを成功してはならないが潜在意識にある人の特徴は、苦労性で何度も失敗をしているが、結果を出さない、ダイエットが長く続かない、自滅する、病気でいえば、循環器障害、高血圧、ストレスを抱えやすい、胃潰瘍などを起こしやすいというのがあります。Yes というのが口癖で断らないというのもあります。
この他には、内科外来で、ダイエットの方法を教えてほしいと医師から指示や援助を仰ぎながら、結局は、ダイエットに有益な行動をしなくて、医師に匙を投げられ、医療機関を転々としている人でしょうか?こういう人は、顕在意識では、指示や援助をほしいと思っ ていますが、潜在意識では、あなたの考えは受け入れるつもりはありませんと考えている可能性が高いです。さらに深い潜在意識では、人は信用できない、人のいうことはまず疑ってかかり、だまされる前に人との縁を切って身を守るべきだと考えている人もいます。患者さんと信頼関係を構築すると、私から患者さんに、患者さんの潜在意識に焦点をあてた問いかけをすることにより、患者さんが潜在意識を言葉にして表現してくださるので、心理的相互作用で、潜在意識が言語化(顕在化)されます。そうすると、言語化していく中で、自分が ダイエットがうまくいかない理由に気づかれることもあります。このタイプの方は、人の援助をもらわないか、もらったふりをするか、解決法を伝えると、「はい、そうですよね〜。 でも〜〜〜。」のように受け止めているふりをするといった特徴がありますので、見ていてわかりやすいですね。ダイエットに関する深い知識を持っていることも多く、ただ自己流でやりがちで、自己流に固執する傾向も強いですね。
ダイエットの勉強はたくさんしているけど、全然行動していない人はどんな潜在意識を 持っているでしょうか?「結果を出していない自分は恥ずかしい、できない自分を見るのが 嫌だ」と感じて、ダイエットに限らず、失敗を恐れていろんなことに消極的に生きているのかもしれませんね。
ダイエットの成功を妨げる
潜在意識を
書き換えるには?
ダイエットが成功するための思考⇒感情⇒行動パターンを身につける、プラス、運用できる 知識を身に着けることかとは思いますが、ダイエットの成功につながる気づきを得たとして、その気づきを元に、
「○○してみよう!」
「楽しくやってみよう!」
と思考や感情を変えても意外に行動はできません。ダイエットの成功を妨げる思考や感情は長年、身に沁みついており、生活習慣を変えるのが至難の技のように、ダイエットの成功を妨げる思考や感情を除こうとしたり、書き換えて行動しようと思っても継続ができません。おそらく、ダイエッ ト成功率はおそらく 1%に満たないと思います。
一番持続する変化を起こす可能性があるの は、まず思考や感情を変えるまえに、まず行動から変えること。
その理由は 2 つで、思考や感情を変えるよりも、まず行動を変えたほうが結果が出やすいことが1つ、もう 1 つは、行動の変容は他者からみてわかるので客観性があることです。行動を変えるというのは、具体 的には、ダイエットを成功させるのに無益だった行動を有益なものに変えること、その為に は成功体験が手に入るまでやり続けること、仮に、そのプロセスで諦めや不安や恐怖がでたとしても、成功体験がでるまでやり続けることにつきます。成功体験が入れば、次に生かし てもっとやろうと思う可能性がでてきます。
仮に失敗体験であっても、成功体験がでるまで やり続けると決意していれば、失敗から学んで成功につなげようとします。人からの援助を 積極的にもらおうとします。自分のやり方にこだわらず、何が有益なのかという観点から 達成するためのパーツをみつけようとします。そして、成功体験が増えれば増えるほど、そ
れまでに感じていた思考、感情は変わり、より有益な結果をえるための思考、感情、行動パ ターンをとろうとします。
ただ、人はどんなに強い意志があって、1 人では成功するための努力を持続しにくいと思 います。そういった時に必要となるのが仲間の存在です。頑張っている人がいるから自分も 頑張れる、応援してくれる人がいるから頑張れる、本当は自分のために頑張れるって言えた らそれに越したことはありませんが、人にためでも頑張って結果を出せる人は、そのうちに 自分のためにも頑張れるようになってくるのも外来でよく経験します。自分のために頑張 れなくても人のためでもいいのです。人とともにダイエットに取り組み成功させる人には、 やり続けると自分も人も幸せにできる未来が待っていると思いますし、それを体験できる のがD1の神髄だと思います。D1 はダイエットが入口であり、本当は生きたい生き方を学 ぶことをゴールにしているのだと思っています。
【最後に】ダイエットの成功には、人生の成功を妨げている潜在意識には早く気付くことが 近道ですし、ダイエットに限らず、人生もうまくいき、幸せになります。潜在意識に関する 本は様々ありますが、本を読んで気づいたことを腑に落とすレベルまでに実践することは 難しく、まして潜在意識の書き換えになると、さらに難しくなります。